【10人・30人・50人・100人の壁】各フェーズの課題と解決策。リーダーが捨てるべき「過去の正解」とは

導入
「数年前はあんなに一体感があったのに、最近社内の空気が悪い」
「自分ばかりが忙しくて、社員がなかなか育たない」
組織が拡大するにつれて、このような悩みを抱えるリーダーは少なくありません。
組織には「10人・30人・50人・100人の壁」と呼ばれる成長の節目が存在します。
しかし、多くの組織において成長を止めてしまう最大のボトルネックは、実は
**「リーダー自身の成功体験」**にあることが多いのです。
10人の時に正解だったマネジメントは、100人の組織では「毒」になることさえあります。
この記事では、組織のフェーズごとにリーダーが「手放すべきこと」と「新たに手に入れるべき役割」について解説します。今のあなたの組織フェーズと照らし合わせながら読み進めてみてください。
【10人の壁】プレイングの限界:背中で語る時代の終わり

創業期などの10人程度までは、リーダーとメンバーの距離が物理的にも心理的にも近い時期です。
求められる役割:圧倒的な「熱量」と「率先垂範」
このフェーズでは、リーダーが誰よりも働き、誰よりも成果を出すことが最強のマネジメントです。「俺についてこい」というスタイルで、阿吽の呼吸で仕事が進みます。細かいルールよりもスピードが命です。
手放すべきこと:過度な「気遣い」
メンバーの顔色が気になりすぎて、リーダーとしての決断が鈍っては本末転倒です。
まずは実績と背中で信頼を勝ち取ることが優先されます。
【30人の壁】デリゲーションの葛藤:「任せる」という苦行
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社員やメンバーが30人を超えると、社長やリーダーが一人一人とじっくり話す時間が取れなくなります。ここで最初の大きな「組織の壁」が立ちはだかります。
求められる役割:No.2、No.3への「権限委譲」
自分と同じレベル、あるいは自分以上に特定の分野に強いミドルマネージャーを育て、仕事を任せる必要があります。
手放すべきこと:「自分がやった方が早い」という思考
これが最大の難関です。部下に任せると、最初は自分よりクオリティが低く、時間もかかります。「貸して、私がやる!」と言いたくなるのをぐっと堪え、60〜70点の出来でも合格点を出し、修正プロセスを教える忍耐力が求められます。
ここを乗り越えられないと、組織は永遠に30人以下で停滞します。
【50人の壁】仕組み化への転換:「感情」から「ルール」へ

50人を超えると、部門間のセクショナリズム(縦割り)が生まれ始めます。「営業は頑張っているのに開発が遅い」「管理部の手続きが面倒だ」といった不満が出やすくなります。
求められる役割:公平な「ジャッジ」と「制度設計」
全員の顔と名前、性格を把握するのが難しくなります。これまでの「あいつは頑張っているから」といった情緒的な評価は、「えこひいき」と受け取られかねません。
手放すべきこと:「感覚的」な人事評価・意思決定
「なんとなく」で決めることをやめ、数値やKPI、明確な評価制度に基づいて判断する必要があります。ドライに見えるかもしれませんが、ルールを明確にすることが、結果として社員の安心感につながります。
【100人の壁】ビジョナリーへの進化:文化の伝道師になる
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100人の壁を超えると、組織は一つの「社会」になります。社長と一度も話したことがない社員も出てきます。
求められる役割:カルチャーの「エバンジェリスト(伝道師)」
リーダーの役割は、実務の管理から「意味の付与」へと完全にシフトします。「我々はなぜここにいるのか」「どこへ向かうのか(ビジョン)」を、飽きるほど繰り返し語り続けることが仕事になります。
手放すべきこと:現場の「実務」への介入
現場の問題を見つけると口を出したくなりますが、そこは現場のリーダーに任せます。トップが現場に介入しすぎると、中間管理職が育たず、組織の自律性が失われます。
あなたは「未来」を語ることに時間を使わなければなりません。
実録:1000人規模の組織を見てきた私の「失敗談」
私自身、1000人規模の組織でHRや経営戦略に携わっていますが、痛感したのは
**「仕組みは感情に勝てない」**ということでした。
ある時、組織の不満を解消するため、「評価マニュアル」を作成・導入しました(まさに50人の壁・100人の壁に対するアプローチです)。しかし、結果はどうだったか。 現場からは「評価が煩雑だ」「結局企画部門のための評価」と猛反発を受け、炎上してしまったのです。
なぜ失敗したのか。それは、「なぜそのルールが必要なのか(ビジョン)」を語るプロセス(100人の壁のアプローチ)を飛ばしてしまったからです。
- ルール(仕組み)を作る前に、想い(ビジョン)を共有する
- 権限を渡す(デリゲーション)前に、信頼関係を作る
この順序を間違えると、どんなに正しいマネジメント手法も機能しません。 フェーズごとの「壁」は独立しているようで、実は地続きです。前のフェーズの課題(信頼関係や想いの共有)をクリアしていないまま、形だけ仕組みを入れても組織は崩壊します。
また、場当たり的な対応ではなく一貫性を持ち、信頼されている人が伝えていくことが
最も大切です。
これは、私が1000人の組織と向き合う中で得た、痛いほどの教訓です。
まとめ:リーダーが変われば、組織は変わる
組織のフェーズが変わるたびに、リーダーは「過去の自分」を否定し、新しい自分へと脱皮する必要があります。
- 10人: プレイヤーとして引っ張る
- 30人: 権限を委譲して任せる
- 50人: ルールを作って整える
- 100人: ビジョンを語って束ねる
今、組織に閉塞感を感じているとしたら、それはリーダーであるあなたが「前のフェーズの成功法則」にしがみついているからかもしれません。
組織の壁は、経営学者のラリー・E・グレイナーも提唱している『企業の成長モデル』として知られる現象です
「今の自分は何を手放すべきか?」
この問いに向き合うことが、次の壁を突破する鍵となるはずです。
【無料相談】組織の「壁」に悩む経営者・リーダーの方へ
「30人の壁にぶつかっており、右腕が育たない」 「評価制度を入れたいけれど、何から手をつければいいかわからない」
現在、Life Engagementでは、組織課題に関するスポット相談(オンライン)を受け付けています。 私の経験(1000人規模組織でのHR・経営戦略)を踏まえ、御社のフェーズに合わせた具体的な処方箋を一緒に考えます。
まずは下記のお問い合わせフォームより、現状のお悩みをお気軽にお送りください。







