なぜ、あの人だけ優遇されているのか?
なぜ、同じ声かけなのに、あの人の方が反応が良いのか
仕事や学校、私生活でも他者との待遇の差を感じたことがあると思います。
学生時代の部活動から仕事まで、コミュニティに所属していれば感じる機会があり、一見すると楽して優遇されているように見えますよね。
少し観察すると、仕事ができる、部活のトッププレイヤー、という実績が共通点が見えますが、仕事の役割が変わる、怪我してプレイできなくなったなど、力を発揮できなくなった際に、優遇されなくなった人も見受けられました。
これには、実績以外の要素で目に見えにくい要素が影響しており、それが「信頼」ではないかと確証を持てたのでまとめてみようと思いました。
今回は、先出しマインドと呼ばれる「先に価値を与える」言動を通じて、信頼を得ていく手法を、誰にでも再現性高く実行できる内容に整理しお伝えします。
この記事を読んで実践することで、人からの信頼貯金が溜まり、とても生きやすくなります。具体的には、人にお願いする際に少しの労力で済む、困っている時に周りが助けてくれるなど、とにかく生きやすくなります。
周りからは人気のある人、世渡り上手とも表現されることがあります。このスキルを身につけると気持ちく過ごすことができるので、一緒に身につけていきましょう!
返報性の原理と先出しマインド
人から信頼を得るために必要な「返報性の原理」と「先出しマインド」について、整理します
返報性の原理とは
返報性の原理は、相手から好意や支援を受け取った際に「お返しをしたい」と感じる人間の基本的な心理です。
民族学や歴史学の研究でも、贈り物や食物の交換を通じてコミュニティの絆を強める習慣が多くの文化に共通して存在します。
現代でもバレンタインで貰ったらお返しをするホワイトデー、お祝いに対するお返しなど様々な文化が残っています。
この性質はビジネスや日常においても、信頼関係の構築に大きな力を発揮します。
先出しマインドとは
先出しマインドとは、見返りを期待せずに「先に価値を与える」心構えです。
具体的には、相手が忙しくて手が回っていない時に支援したり、困っていそうな時に情報提供するなど、様々な種類の先出しがあります。
お互い様や助け合いの精神と表現されますが、先に相手が求める価値あることを与える姿勢が大切です。
返報性の原理では、受け取った好意や支援を「お返ししたい」と感じる基本的な心理と伝えていますが、先出しマインドと組み合わせると、【自分】先出しの支援⇨【他者】支援を受け取る⇨【他者】信頼感が高まる⇨【他者】何かお返しをしたい(する)⇨【自分】先出しの支援 というサイクルが生まれます。
恩を売っておくという言葉がありますが、見返りは期待しない方が信頼をグッと高めることにつながります。優遇やお返しはふとしたときに帰ってくるものと理解しておきましょう。
これらの姿勢こそが、が自然な信頼形成につながります。
事例で見る先出しマインドの効果
先出しマインドの事例を、ビジネスや私生活の切り口で紹介します。全てにおいて人間関係の質を高めることが大切になりますので、関係の質からお伝えします。

出所:マサチューセッツ工科大学ダニエル・キム教授
高い成果を得るためには、物事の結果から関係を始めるのではなく、一緒に取り組む仲間との関係を作ることが大切です。1人の人間が挙げる成果は、5人の成果に敵わないことがほとんどです。
だからこそまず関係性を作ることで、一緒に思考を始め気づきを得る。そのことに対して自発的に行動することで、成果を得る。成果が見えることで、関係の質が高まるというサイクルです。
一貫して言えるのは、人を大切にすることが重要であるため、以下では、Work、Business、Lifeの3つの切り口から信頼を得る言動を深掘りしてみます。
Work:メンバーからの信頼
全てに通じることですが、一緒に働くメンバーを大切にすることで信頼を得ることができます。一例としてメンバーからの信頼を得る言動を、スキルと人間性の観点からピックアップしました。
- 【スキル】成功事例や失敗事例を事前に共有
- 【スキル】仕事のフォローにより業務負荷を軽減
- 【スキル】いつも明るく機嫌が良い
- 【人間性】マネジメント層からの感謝の言動
- 【人間性】職場の雑務を率先して取り組む
これらは、今までの経験からオススメしたい事例であり、簡単に取り組むことができる内容が多いのが特徴です。
Business:顧客から信頼
顧客からの信頼は、関係性皆無の状態から始まることが基本です。
まずは、信頼を得るためには見えて実感できるシンプルな先出しが効果的です。
- 無料キャンペーンで価値の先出し
- ノウハウの事前共有
初回や1ヶ月無料などのキャンペーンは、商品の価値を伝えるための先出しの事例です。まずは実感してもらうことが大切ですね。
Life:大切な人からの信頼
家族や友人などの大切な人からの信頼は、日々の積み重ねと継続力が信頼につながります。
より細かで小さなことも丁寧に続けることが重要です。
- 家族・友人に向けたプレゼント
- 天気やイベント等を踏まえた事前準備
- 家庭の雑務を率先して取り組む
家族や友人に対しては、より好みや価値観の解像度が高めることで、相手が喜ぶ内容を取り組むことができます。
身近にいる人を大切にしていくことが、先出しマインドの基本と考えます。
慣れたり身につくことで負担も減り、生きやすさにつながるので、小さなことから取り組んでみましょう。
先出しマインドの習慣化3ステップ
先出しマインドを実践する上で、取り組むためのステップを紹介します。
ステップ1:先出し行動を設定
自分にできることから始めてみましょう。
大切にしたいことは、相手が求めている、喜ぶことを考え実行することです。
仕事、家庭、プライベートのどの場面でも無双できる先出しマインドを
3つを紹介します。
- 相手が掛けられたら嬉しくなる言葉を伝える
- 困っている様子を見かけたら助ける
- 感謝の気持ちを伝える
この3つにお金は必要ありません。非認知能力で見えない部分ではありますが、これらの先出しができると周りから大切にされます。
ステップ2:振り返りとフィードバック
行動を実践した後は、フィードバックをもらい振り返りをすることが理想です。
ただ、面と向かってフィードバックしてもらうことは容易ではないので、普段の会話や周囲の人の言動からフィードバックを感じるようにします。
- 【フィードバック】感謝の言葉や行動、嬉しそうな表情があったか
- 【フィードバック】頼られること、お願いして聞き入れられることが増えたか
- 【振り返り】相手が求めているタイミングで、適切な言動が取れたか
信頼は目で見にくいものなので、相手の反応を感じつつ、振り返り自らの言動の振り返りとアップデートを図りましょう。
ステップ3:環境整備で継続を後押し
継続した取り組みを行うには、明確な目的が必要となります。
なぜ、先出しをするほど、信頼を得る必要があるのか、信頼を得た後とどうしたいのか
自らの価値観と理想の状態を整理することが、継続するための動機になるため
それらを整理するための価値観の整理術は、下記のURLをご参照ください。

参考として筆者は、いずれ事業を推進していく立場となることを見越し、周りの力を貸してもらえるような人になりたいと思い、信頼を得られるような取り組みを続けました。
結果、先出しマインドが身につき、気分よく働きやすい毎日を過ごせています。
先出しマインドの注意点
先出しマインドには、メリットが大きいですが、デメリットも紹介します。
相手の期待値コントロール
先出しを続けると、他者からの期待値が上がってしまうことが注意点です。
特に、注意したいのは、自分から与えるよりも多くを受け取ろうとするテイカーに属する人は要注意で、モヤモヤする相手とは上手く距離を保ちましょう。
高すぎる期待はプレッシャーや徒労感につながるため、あくまでも「自発的なサポート」というスタンスを崩さず、必要に応じて人や先出しアクションを調整するのがオススメです。
誠実さと心意気
習慣化する過程で「義務感」だけで行動してしまうことがあります。
やがて形骸化し、相手に思いが伝わりにくくなります。
先出しの大切にしたいことは、相手が喜ぶ姿を見たいという気持ちで行うことです。
自分の動機を定期的に振り返り、「本当に相手の役に立ちたい」という誠意や心意気を保ち続けることが重要です。
この気持ちがあれば、自然と信頼が積み上がっていきます。
まとめ
返報性や先出しマインドについて解説しました。
メリットやどんなことを取り組むべきかイメージできるような内容となれば嬉しいです。
継続することで、あなたの周囲からの信頼は確実に高まり、
持続的な成果につながるはずです。ぜひ今日から始めてみましょう!