①役職が上がった途端、人の意見を聞かなくなった
②昔は見るに耐えない横柄な振る舞いをする人ではなかった
③むしろ、アドバイスや意見した人を露骨に遠ざけはじめた・・・
組織の中で見かけたことありませんか?
部活や仕事など数多のコミュニティ全てにおいて、起こる可能性があります。
自己肯定感が高まりすぎた結果、過剰な自信や自己中心的、他者への配慮の欠如といったことを披露しているケースが見受けられます。
原因としては、成功体験の積み重ねと評価の上昇により自己肯定感が高まり、他者よりも自己を優先したくなる心理が働いたことが考えられます。
自己肯定感は大切ですが、高めすぎて誤った振る舞いをすると、人脈や関係性の希薄化を生み、人が離れ、誰からの協力を得られない長期的な損失につながります。
今回は、自己肯定モンスターが生まれないことの予防策と、他者で現れた際の対策を含め
まとめています。
この記事では、自己肯定感と謙虚さを両立させるメリットと具体的な実践方法を、専門用語を極力噛み砕きながら解説します。
はじめに:自己肯定感と謙虚さの相乗効果
自己肯定感は「自分を認める力」、謙虚さは「他者や環境から学ぶ力」です。
自己肯定感だけ先行させるとポジティブモンスターが出来上がります。つまり、自己肯定して周りに悪影響を与える人。
経験上、自己肯定感とセットで謙虚さを兼ねていると、成長のスピードが段違いに加速します。
自己肯定感とは何か
自己肯定感の定義
自己肯定感とは、自分自身を価値ある存在として肯定的に認める感情を指します。
長所も短所も含めた自己全体に価値があると感じ、生きている自分を「大切な人間」「必要な存在」であると捉える状態です。
自己肯定感のメリット
メリットとしては、主にパフォーマンスの向上や人間関係の質の改善が挙げられますが、
最も大切にしたい3つの要素で、整理しています。
挑戦する心
自己肯定感が高い人ほど、新しい課題に積極的に挑戦する傾向があります。
挑戦した人だけが成功を掴むことができるため、年齢や立場が変わっても「やってみよう」と挑戦する気持ちを持ち続けたいですね。
ストレス耐性の強化
自己肯定感が高いとストレスホルモン(コルチゾール)の分泌が抑えられ、心身の回復力が向上することがデータとしてあります。
過度なストレスは健康を害するため、自己肯定感を高めておくことで、適度なストレスへ変換し、健康を保つことができます。
良好な人間関係
自己肯定感が高い人ほど、他者との比較や競争に依存せず、相手を尊重しながら対等なコミュニケーションを築きやすい傾向があります。
自己肯定感の高さを上手く利用し、相手への気遣いやポジティブな発信で人間関係の悩みを回避していきましょう。
自己肯定感のデメリット
自己肯定感を高めすぎるデメリットを、3つにまとめ紹介します。
1. 過剰な自己過信
「自分なら間違いない」という思い込み(ダニングクルーガー効果)が強まり、客観的な情報や他者のフィードバックを軽視する傾向があります。
また、自己過信は、驕りゆえに準備不足を招きやすいので、失敗を招きやすいです。
2. 反省・自己修正の成長機会損失
外部からの客観的な評価や情報を受け入れないことは、失敗や批判から学ぶ機会を自ら閉ざし、成長の機会を失います。
成長できない場合、今起きている問題や悩みが、これからの未来でも起きる可能性を高めるリスクを伴います。
3. 他者配慮の低下
自己を肯定する力が強すぎると自己中心的になり、相手の立場や気持ちへの共感が薄れて人間関係が悪化するリスクが高まります。
人間関係の悪化は、仕事の成果や心身の健康に大きく影響を受けるため、想像以上に大切にすべきことと捉えるのをおすすめします。
謙虚の本質
謙虚の定義
謙虚とは、自分を偉いと思わず、他者に対して控えめで礼儀正しい態度をとることを指します。
さらに本来の謙虚さは、自身の強みや能力を理解したうえで、他者を尊重しようとする心の在り方でもあります
謙虚が生むポジティブ要素
謙虚な振る舞いには様々なポジティブ要素がありますが、特に抑えておきたい3つの要素を紹介します。
信頼の獲得
謙虚な態度で、周囲のために行動していると信頼を得やすくなります。
例えば、掃除などの細かな雑務は、気持ちよく過ごすためには必要なことであるため、取り組んでくれている人は信頼したくなりますよね
また、謙虚に誰かのために行動している人は、「この人なら助けたい」と思われ、協力や支援などを受けやすくなります。
謙虚な人は、信頼が積み重なっていくので、周りがあなたを大切に扱い始めるのも特徴です。
チームワーク向上
謙虚な人ほど、信頼が積み重なり周囲からの信頼が溜まります。
Googleの「プロジェクトアリストテレス」では、謙虚さを持つメンバーがいるチームは意見交換が活発化し、成果が約25%向上しました
このように謙虚な人がいるだけ、コミュニケーションが円滑に進み、チーム力が向上するメリットまで生みます。
継続的学習
謙虚な人は「まだ成長できる」と思い続け、自己研鑽を怠りません。
教育心理学の調査では、自身の限界を認める人ほど新しい知識の定着率が高いことが確認されています
まだ成長できると感じ学び続ける人が、伸びていくことはイメージしやすいですね。
謙虚さが生むネガティブ要素
謙虚な振る舞いにも、1点だけネガティブ要素があります。
過度の謙虚さのリスク
謙虚さを過剰に高めてしまうと「自分はダメだ」と自己卑下し、チャンスを逃す思考に陥るケースがある。
ある研究によると、自己効力感の低すぎる人は、挑戦的課題から平均で30%遠ざかることが示されています
謙虚すぎて自分を卑下することは陥りやすい事象であるため、自己肯定感とセットで持つことがお互いの相乗効果が得られやすくなります
自己肯定感✖️謙虚のバランスを保つ3つのポイント
自己肯定感と謙虚については、高すぎる、低すぎると問題があることをお伝えしました。どちらも、7割程度のレベルでバランスを取ることが大切です。
これらのバランスを保つ3つのポイントを整理しています。
ポイント1:現状認識のセルフチェック
現状の認識をセルフチェックとは、現状を客観的に把握し、理解することを指します。
具体的には、自分の置かれている状況、感情、考え方などを自己分析し、自己理解を深めることを意味します。
これにより、自己成長や目標達成、他者とのコミュニケーションの改善に繋がります。
自己理解の深化
自分の強みや弱み、価値観、感情などを客観的に把握することで、自己理解が深まります。
例えば、無料サービスを利用して強みや弱みを確認する、データや紙に自分の価値観を書き出してみると、見えていなかった自分が見えてきます。

目標達成の支援
目標達成に向けた進捗状況を把握し、必要な修正を行うための道標となります。
目標は、夢からちょっとした目標まで、大小ありますが、それぞれ自分が考えていることを整理することで進捗や課題が見えてきます
コミュニケーションの改善
自分の立場や価値観を理解することで、他者とのコミュニケーションが円滑になります。
現在コミュニケーションで課題となっていることを書き出すのを良いです。
例えば、人と雑談するのが苦手、苦手な人がいて上手い距離感で付き合えないなど、苦手とか解決したいと思っていることを整理するのがおすすめです。
ストレス軽減
自分の状態を把握することで、ストレスの原因を特定し、対処しやすくなります。
ストレスに感じていることを書き出し、理由を「なぜそう思うのか」を何度も繰り返すことで、原因の深掘りが進みストレスに感じる根本の感情が見えてきます。
ポイント2:フィードバック文化の活用
客観的な周囲の視点から、自らの状態を確認できる仕組みがあると良いです。
評価制度の活用
仕事をしていれば評価制度を利用するのが良いと思います。
評価には、オーソドックスな上司が部下を評価する手法や360度評価など多方面からフィードバックをもらえる仕組みがあります。
評価制度は、基本的に絶対評価を謳っていますが、人間が評価するので相対評価に偏りがちです。
これらの数値評価は、上司基準ではありますが、客観的な評価をもらうことが成長には良い機会となります。
個別面談
個別の面談やコミュニケーションであれば、仕事だけではなくプライベートでも実施することができます。
仕事であれば、信頼できる同僚や上司と1on1ミーティングを実施し、日々の取り組みや成長についてフィードバックを聞いてみるのも良いでしょう。
プライベートでは、信頼のある関係性からフィードバックをもらうことになるため、より効果的です。
ただ、個別面談の時間を持ち、フィードバックをもらおうとするのが最大ハードルですね。
ポイント3:小さな成功体験と謙虚な振り返り
最低でも週に1度は、結果やプロセス、抱いた感情をメモ帳にまとめるなど、振り返るのがおすすめです。
良い結果でも、至ったプロセスが良い点と改善点を整理すると、良い結果を得るための再現性が高まります。
また、感情は行動の原動力となるため、ネガティブな感情を抱いた時には、どんな原因があったのかを整理しておくと、冷静な自分でいつも通りの力が発揮できます。
振り返りにおすすめしたいのがマインドマップを使った整理術です。下記の記事にまとめているので、参考になると思います。

自らの価値観と理想の状態を整理することが、継続するための動機になるため
ぜひ、実践してほしいです。
まとめ:成長を加速させるマインドセット
自己肯定感と謙虚さは、互いに補い合うバランスが最大の効果を生みます。自己評価を高めつつ、他者や事実から謙虚に学び続けることで、成長が加速していくのです。
今日からできるアクション
- 現状の問題を原因自分で振り返ってみる
- 信頼できる人に、自分の強みと改善点を聞いてみる
- 今週の振り返りで、自分の成功と課題をノートに書き出す
このバランスを意識すれば、あなたの成長は加速度を増し、周囲との関係もより良好になります。ぜひ今日から実践してみてください。