はじめに

プロジェクトの成否は、スタート地点である「企画書」で8割決まると言っても過言ではありません。

  • 「上司になかなか承認してもらえない」
  • 「企画は通ったが、現場が動いてくれない」
  • 「進捗が遅れ、いつも納期ギリギリになる」

もしこのような悩みを抱えているなら、それは**「論理的な構成(ロジック)」「人を動かす仕組み(マネジメント)」**のどちらかが不足している可能性があります。

本記事では、数多くのプロジェクトに関わってきた人事(HR)の視点から、**「決裁者が首を縦に振る企画書の作り方」と、その後の「チームを成功に導く運用ノウハウ」**を、すぐに使えるテンプレート付きで解説します。


1. 【コピペOK】承認率を高める「企画書の鉄板構成」

企画書において最も重要なのは、「何をやるか(What)」よりも**「なぜやるのか(Why)」**です。

忙しい決裁者は、結論とメリットを求めています。以下の構成案(テンプレート)を参考に、要素を埋めてみてください。

企画書構成案(テンプレート)

1. タイトル(Title)

  • 内容とメリットが一目でわかる魅力的なタイトル

2. 背景と現状の課題(Background & Issues)

  • なぜ今、この企画が必要なのか?
  • 市場データや現状の数値(例:売上が昨年対比○%ダウン)を用いて客観的に示す。

3. 目的とゴール(Objective & Goal)

  • 定性目標: どのような状態を目指すか(例:顧客満足度の向上)
  • 定量目標(KGI/KPI): 具体的な数値(例:半年後に売上1,000万円達成)

4. 具体的な施策(Solution)

  • 課題を解決するための具体的なアクションプラン。

5. スケジュールと体制(Schedule & Team)

  • 主要マイルストーン(中間目標地点)
  • 誰が何を担当するか(体制図)

6. 予算と費用対効果(Budget & ROI)

  • 必要なコストと、それによって得られるリターン(投資対効果)。

★ポイント:

ある調査によると、しっかりとした根拠数字(市場データなど)がある企画書は、そうでないものに比べて承認率が70%以上向上すると言われています。


2. 人事(HR)が教える「失敗しないチーム編成」の極意

企画が通った後、実行フェーズで躓く原因の多くは「人」の問題です。

プロジェクトマネジメントにおいては、タスク管理と同じくらい**「チームビルディング」**が重要です。

① 役割分担は「スキル」+「適性」で決める

単に手が空いている人をアサインするのは危険です。

  • PM(プロジェクトマネージャー) 全体を俯瞰し、決断できる人。
  • 実務リーダー: 現場の技術や知識に精通している人。
  • ムードメーカー: チームの空気が悪くなった時にケアできる人。

人事視点で見ると、スキルセットだけでなく、このような「性格的な役割(キャラクター)」のバランスを考えることが、長期的なプロジェクトでは重要になります。

暗いオフィスで頭を抱える孤独な上司と、明るい職場で部下と笑顔で対話する理想的なリーダーの比較画像。離職の原因となるマネジメントと、心理的安全性の高いチーム作りの違いを表現しています。
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② 心理的安全性を確保する

進捗会議で最も怖いのは「遅れやトラブルが隠蔽されること」です。

これを防ぐためには、**「悪い報告ほど早く上げる(Bad News First)」**を徹底し、報告者を責めずに「早く言ってくれてありがとう」と感謝する文化を作ることが不可欠です。


3. プロジェクト管理の要「PDCA」と「視覚化」

計画を実行に移す際は、以下の2点を徹底しましょう。

進捗の「見える化」

Excelやクラウドツール(Backlog, Trelloなど)を使い、タスクの進捗で可視化します。

  • ガントチャート スケジュール全体の流れを把握する
  • カンバン方式: 「未着手」「進行中」「完了」のステータスを管理する

短いスパンでのPDCA

計画は必ずズレます。半年間のプロジェクトでも、**「1週間〜2週間単位」**で定例会議で進捗を確認し、微修正(Action)を繰り返すことが、大きな遅延を防ぐ唯一の方法です。

左は混乱したムダ会議で参加者が時計に気を取られている様子、右は明確なアジェンダと時間管理で効率的に議論している会議の対比イラスト。
【会議手法の理想】非効率な会議をマネジメントで改善!最新デジタルツールで生産性UP術も紹介 この会議の目的は何だろう? この定例会議、時間の割に中身薄い! 結局、何が決まったのか議論が散乱してわからない・・・ ...

4. プレゼンテーションの成功率を上げるコツ

最後に、企画を通すためのプレゼンの秘訣をお伝えします。

  • 資料は「読むもの」ではなく「見るもの」
    • 1スライドにつき、メッセージは1つに絞る(ワンスライド・ワンメッセージ)。
    • 文字ばかりにせず、グラフや図解を30%以上入れると理解度が跳ね上がります。
  • 想定問答(Q&A)を用意する
    • 「予算が足りなくなったらどうする?」「競合が参入してきたら?」など、意地悪な質問を事前にシミュレーションし、回答を用意しておくと、「リスク管理ができている」と信頼感がアップします。
ストーリーテリングのプレゼンテーション風景。「STORYTELLING PRESENTATION 数字やデータよりも強く深く刺さる。聴衆を一瞬でファンにする「ストーリーテリング」の教科書」という文字と、成功ストーリーのイラストが表示されたスクリーンの前で、講師が話し、聴衆が笑顔で聞いている。
【プレゼン】数字やデータよりも、強く深く刺さる。聴衆を一瞬でファンにする「ストーリーテリング」の教科書 はじめに:なぜ、あの人の話は「心」に残るのか? スクリーンに映し出される、文字がびっしり詰まったスライド。 単調な声で読み...

まとめ:企画書は「未来への地図」である

企画書は単なる書類ではなく、プロジェクトという航海の「地図(羅針盤)」です。そして、その船を漕ぐのは「チームメンバー」です。

  1. **論理的な構成(テンプレート)**で地図を描き、
  2. HR視点で最適なクルーを集め、
  3. PDCAで軌道修正しながら進む。

このプロセスを意識すれば、どんな困難なプロジェクトでも必ずゴールに近づくことができます。

まずは、今回ご紹介したテンプレートを使って、あなたのアイデアを形にすることから始めてみてください。